稲作をはじめとする農業は非常に忍耐が必要な仕事です。サラリーマンであれば、長く努めれば勤めるほど出世への道を辿ることができるでしょう。アルバイトであれば、働いた分だけ時給が増えて給料が高くなるでしょう。
しかし、稲作の仕事は必ずしも努力が報われるわけではありません。どんなに頑張っても台風などの天災によって努力が水の泡になることも珍しくないのです。そんなときでもくじけずに、再び田んぼに立つことができる、ガッツのある人こそ稲作の仕事に向いています。
また、農業といえば一人でコツコツとやる仕事だと思っている人は多いでしょうが、実は非常にコミュニケーション能力が重要になる業種です。特に初心者は、分からないことを自分から近状の人や農業協同組合の人に聞きにいく勇気が求められます。会社のように教えてくれる人がいないからこそ、自分で頼れる人を見つけ、仲良くなる意識が大切なのです。それに加えて、体力的にも精神的にも健康であることが肝心でしょう。稲作は自分の都合で勝手に休めるような仕事ではないので、早寝早起きの毎日でもくじけない強さが必要なのです。
現在、サラリーマンなど別の仕事をしている人でも、将来的には稲作に従事したいと考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、特別な勉強もしたことがない初心者にとっては、いきなり稲作の技術を修得できるかどうかが不安になるはずです。結論から言えば、しっかりと経験者の知り合いを作り、日々学ぶ意識さえ持って挑めば、初心者でも稲作を行うことは可能です。稲作には特別な資格は必要なく、土地さえ確保できれば誰でも始めることができる仕事だからです。ただし、農地法や水道の利権に抵触していないか、事前に役所へ相談しにいったほうがトラブルに巻き込まれる可能性を軽減できるでしょう。
農業大学などで稲作を勉強していた人は知識を役立てることができますが、理論と実践では大きく異なる部分も大きいので、謙虚な気持ちで経験者の声に耳を傾ける姿勢が必要です。稲作に必要な道具のほとんどは免許がなくても扱えますが、軽トラックやコンバインなどの乗り物を操縦するには普通車免許が必要とされるので、無免許の人は事前に教習所へと通っておくようにしましょう。
給料BANKの調査によれば、稲作農家の平均月収は41万円という結果になりました
(https://kyuryobank/com/nogyo/ricefarmer.html)。しかし、このデータでは専業農家や兼業農家を混同して集計しているので、実際にはもっと幅が大きいと考えられます。稲作専門で生計を立てていくのは困難です。なぜなら、稲の栽培期間は初夏から秋に限られており、その他の期間の収入がない状態になるからです。そのため、多くの専業農家では稲作を行っていない期間でも他の畑で作物を育てて収入を得ています。稲作を考えている人も田んぼだけを確保するのではなく、一年中安定した収入を得られるように他の土地も確保しておくことがおすすめです。
また、兼業農家としての生き方も視野に入れておきましょう。手伝ってくれる人がいれば、平日は別の仕事をして、土日だけ稲作に精を出すスケジュールも実行可能です。稲作をメインの収入とすることはできませんが、一年分のお米を自給自足できるのであればかなり家計は助かります。稲作といってもさまざまな生き方があり、志す人のライフスタイルに合わせてスケジュールを組むことが必要だといえます。