お客様への提案だけでなく、スタッフの教育や取りまとめ、売上分析や戦略策定などを任されるのが、店長・マネージャー職です。
販売系店長・マネージャーの仕事内容、求められる能力、一般的な働き方についてご紹介します。
販売系店長・マネージャーの大きな仕事は、経営・運営のために店を1つにまとめることです。
店員と同じく販売業務に携わることもありますが、中心になるのは店舗の管理業務となります。最も重要な仕事は売上管理であり、週・月・シーズン単位での売上推移を確認・分析しながら、チラシやディスプレイを工夫したり、スタッフの接客方法を工夫したりといった改善点を検討し、目標達成へとつなげていきます。
スタッフへの教育も重要な役割であり、接客マナーを身につけさせ、健全な人間関係を取り持ってチームワークをはぐくみ、専門知識の向上のための勉強会を行うなどで店全体の質向上を目指していくのです。その他に店舗の人事・経理やイベントの企画、クレーム対応など、責任者としての業務を多く担っていきます。また店の中の仕事だけでなく、本社やテナントとして入っている百貨店・ショッピングセンターの担当者との交渉といった渉外活動も並行して行っており、マルチプレイヤーとして活躍できる仕事だといえます。
店を背負っていく立場であるため、まずは責任感の強い方が適している仕事です。店長・マネージャーの判断や努力が、店舗の存続や従業員満足度に直結するため、目標達成を目指してあきらめない責任感が求められるのです。
また職場の人間関係を円滑にするための気配り、リーダーシップも重要です。多様な個性を持つスタッフをまとめあげ、サポートし、調整する能力が店長・マネージャー職では活躍します。そのため、すでに販売員として売上向上に貢献した実績や、他のスタッフの育成に関わった経験があれば、店長・マネージャーへのランクアップに有利になるでしょう。
またスタッフだけでなく、お客様とも信頼関係を保ち、店の利益につなげていくコミュニケーションスキルも必要とされます。
その他には、売上の把握・分析をし、店舗の現状を把握したうえでそれをスタッフと共有し、改善策を実行していく力が求められます。単にスタッフに指示を与えるだけでなく、皆で一体となって課題に取り組んでいく環境づくりが理想とされます。
なお店長・マネージャー職を目指すにあたり必須の資格はありませんが、販売士資格1~3級や、色彩検定などを持っていれば、採用や昇級の際有利に働く場合があります。
店舗の販売系店長・マネージャーの場合、スタッフとともに実働8時間の交代制で勤務する働き方が一般的であり、店長・マネージャーであれば週5勤務程度を求められる所が多いです。
大きく分けると開店準備をする早番、閉店作業をする遅番がありますが、具体的な勤務時間帯は店舗が入っている百貨店などの営業時間に準ずることになります。
また他のスタッフと異なり、本社などへの出張の機会があることが、店長・マネージャー職の特徴といえます。
給与に関しては、雇用先によって基本給や手当額が異なりますが、月収にすると20~30万円程度が目安でしょう。交通費支給の有無は雇用先によって異なるため、あらかじめ確認が必要です。
キャリアコースとしては、まず店長・マネージャー候補の販売スタッフとして正社員・バイト・パートなどで採用され、ひと通りの経験を積んだうえでステップアップしていくことが一般的であり、さらにエリアマネージャーなどへ昇格していく場合もあります。